『Autodesk University Japan 2014』の『ゼロ・グラビティ』メイキング参加レポート

2019年4月29日

2014年8月29日に台場で開催された、『Autodesk University Japan 2014』。これに参加してまいりました。

『Autodesk University Japan 2014』では映画『ゼロ・グラビティ』の
メイキングセミナーが約2時間に渡って開催されました。

その復習したい方、参加出来なかった方の為に、メイキング映像とセミナーで語られた情報の一部を掲載。

『ゼロ・グラビティ』のメイキング動画を3本掲載致します。
セミナーで上映された物と全く同じ動画ではありません。
しかし、これらメイキング映像の中に、セミナーで使われた映像も収録されています。

Gravity Show and Tell

全編のVFXを手掛けた海外CGプロダクション『FrameStore』による、メイキング映像です。
宇宙空間に関しては顔のみ実写を使い、それ以外はCGとなっています。
この映像は過去にCGトラッキングでもご紹介した事があります。

Modelling Showreel 2014

『ゼロ・グラビティ』以外の作品が含まれたモデリングリールです。
劇中に登場する、小物やハップル望遠鏡のCGのLookDev映像が収録されています。
この映像も過去にCGトラッキングでもご紹介した事があります。

映画『ゼロ・グラビティ』驚きのメイキング映像

こちらはブルーレイ版のメイキング映像に収録されていた物の一部のようです。

セミナーで語られていた内容

『Autodesk University Japan 2014』の『ゼロ・グラビティ』の
セミナーで語られていた内容の一部をご紹介。
・本編は3D立体視上映。実写撮影はステレオカメラで行われておらず、ポスト処理で立体化。
 理由はステレオカメラだと重すぎる為。CG部分は3D立体視用にレンダリングされた。
・撮影時、カメラの移動はBot&Dolly社のロボットアームを使用。元々は自動車製造の為のロボット。
 これにより、モーションコントロールカメラ以上の動きが可能(ブルーレイーメイキング内での談)
・照明もロボットアームを試してみた。しかし、挙動スピードが足りなかった。
 その後、LED照明を立方体に敷き詰めた、ライトボックスを開発。俳優はこのライトボックス内で演技を行う。
 ライトボックスの発案は音楽コンサートを見にいったスタッフが思いついたとの事。
 (ブルーレイーメイキング内での談)
・全編Mayaによるのアニメーション手付けで行われた。
 モーションキャプチャーのアニメーションは使用されなかった。
・クロスシミュレーションはnClothを使用。
・2度目の破片が襲来してくるシーンはレンダリングが非常に重い。
 その為、本番レンダリングを実行するチャンスが1度しか無かった。
・機内にクロス状のオブジェクトがある。そこもnClothでモデリングされた。
・基本的にライトは2つ。太陽光と地球からのバウンス光。その他は衣装や機体からのバウンスによるもの。
・CGで作られた宇宙服は型紙から正確に作成。シミュレーション精度にも影響。
(間違いがあれば、コメント欄・タレコミボックスにてご指摘お願い致します…。)

何だか、FrameStoreと監督のこだわりと本気を感じたセミナーでした。
ブルーレイのメイキングも見てみると、その印象もさらに感じられます。

ブルーレイ版のメイキングもオススメ

『Autodesk University Japan 2014』の帰りに本編を観たくなり、すぐにブルーレイを注文。
休みの内に3時間ある特典映像を視聴しました。
セミナーに含まれていなかったメイキングや情報が収録されていました。
スペースシャトルのポリゴン数、1フレームのレンダリング時間、撮影風景等。

また、個人的に『なるほど。』と思ったのが、
サンドラが演じる主人公ライアンがISSのポッドに乗り込だシーン。
ライアンは今置かれている状況覚悟して色々諦める訳ですが、
その一連のシーンはどうやって撮影したのか気になっていました。
このブルーレイ版のメイキング映像にチラリとその様子が収録されていました。

興味があれば、是非ブルーレイ版もご覧下さい。

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