『CGWORLD クリエイティブカンファレンス2013』 感想レポート
2013年10月28日、本日2度目の更新です。
2013年10月27日(日)に東京で開催された、CGに関する技術発表会
『CGWORLD クリエイティブカンファレンス2013』に参加してまいりました。
簡単に感想を書かせて頂きます。
内容に深く触れない程度の感想なので、
参加された方は『そうだったよね~』
参加されなかった方は『何それ、次回行ってみたい』
と思って頂ければ幸いです。
ただ間違いがありましたら、ご指摘頂けると有難いです。
コンセプトアートについて (株式会社INEI)
はじめに株式会社INEIが手掛けた作品が紹介されました。
終始、常に参加者からの質問攻めで、質問内容は
使っているPhotoshopのブラシ、富安健一郎氏流テクスチャーの使い方等々。
また、学生が半数いらっしゃった為、就職に関する重要なアドバイス
(ポートフォリオの作り方、勉強・経験しておく事等)と学生に有難い物もありました。
質問攻めだった為か実際に絵を描き上げるというコーナーはありませんでした。
コンセプトアートは実際にどのように描いているのか
しかし、CGトラッキングでも先日紹介した、
株式会社INEIによる動画をご覧頂くと、
どのように描いているのかその様子がよく分かるかと思います。
CGWORLDクリエイティブカンファレンス前の予習に!株式会社INEIによる、コンセプトアートチュートリアル動画
NHK 大河ドラマ「八重の桜」映像マジックの舞台裏 (NHK)
現在も制作&オンエア中の大河ドラマ『八重の桜』に関するメイキング。
企画の経緯とこだわりポイント
大河ドラマで『八重の桜』を企画する事になった経緯を説明。
会津を舞台とし、東日本と日本を盛り上げる事を理由としていました。
映像にもこだわり、今まで使用していなかった、映画用のカメラを使う事で
レンズのボケ、色に深みを持たせるようにされたそうです。
VFXの物量は大幅にアップ
VFXも過去作を大幅に超えるVFXを使用。
また、背景に奥行きを持たせる事に挑戦。
江戸城内にあった全長50mの松之大廊下を例に上げ、
なるほど!という仕上がりになっていました。
デジタルダブルにおける撮影を主体としたスキンシェーディング (株式会社ドロイズ)
非常にプレゼンが分かりやすかったです。
完成したデジタルダブルは本物そっくり
デジタルダブルとは実在の人物をCGでそっくりに再現する事。
実際に役者さんの頭部をデジタルダブル化したCGが冒頭に上映。
非常にリアルな仕上がりでした。
デジタルダブルの工程も紹介
デジタルダブルの工程、顔のテクスチャーの作り方を紹介。
頭部の形状は色々なアングルから役者さんを撮影し、とあるソフトで立体化。
顔の質感調整については様々な文献を調べ、
科学的に根拠のある部分はその通りのテクスチャーの描き方、数値を使用。
そうする事でクオリティーのバラつきを防げ、
更にクリエイティブな作業に集中出来るそうです。
MayaとVrayを使われているという事でしたが、
実際にどういうシェーディングネットワークを組んでいるか
というスクリーンショット的な物は出ていませんでした。
これだけリアルな頭部を作ると、
中途半端なフェイシャルリグだと皮膚の動きの不自然さが目立つ為、
アニメーションに関する色々な課題が出てくると解説されていました。
CEDEC × CGWORLD スカルプト・マイスター <ディスカッション編>
登壇者
株式会社カプコン 黒藪裕也 氏
株式会社バンダイナムコスタジオ 重山孝雄 氏
株式会社スクウェア・エニックス 平田佳也 氏
グリー株式会社 亀井敏征 氏(司会進行)
このセッションに参加された方はZBrushで何か作りたくなったと
思った人が多数いらっしゃるのではないでしょうか?(笑)
国内のZbrushトップスカルプターによるディスカッションのセッション。
CEDEC2013で行われた『CEDEC × CGWORLD スカルプト・マイスター』で
2時間という短時間で制作された四神(青竜、朱雀、白虎、玄武)の
制作ダイジェスト映像を上映しつつ解説。
CEDEC × CGWORLD スカルプト・マイスターの映像
制作映像はCGトラッキングでも過去にご紹介した事がありますので、
よろしければコチラからご覧下さい。
【CEDEC 2013】制作時間2時間!?スカルプトマイスターがZbrushで作る四神の全身像。ノーカットメイキングあり。
参加者だけでなく、登壇者同士も質問。
ダイジェスト映像の上映中は、登壇者同士もこの手法は始めて見た、
職場でもこの手法を使用しているの?等の質問のし合いがありました。
参加者からの質問では、
UV展開やリトポ(ローポリ化)にどういうツールを使っているのか、
四神というテーマが無ければ何を作りたかったか、
スカルプトをしている時の大事な点は?
等々、多数の質問が上がっていました。
また、個人的にはFF14のファンでもあった為、
平田氏のこだわりポイントをお聞きし、
そこまでユーザーの事を考えているのかと嬉しくなりました。
最後に
長文ではありましたが、簡単に感想とさせて頂きます。
参加出来なかった方はどういう内容だったのかモヤモヤしつつ、
来年のCGワールドカンファレンスに参加される事を検討してみてください。