セミナー参加レポート ~日本VFX業界の未来を考えるシンポジウム 「どうする、どうなる日本のVFX業界」~

2019年6月20日

2011年11月5日、6日にデジタルハリウッド東京本校で開催された、
鍋 潤太郎さん、溝口 稔和さん主催のセミナーに参加させて頂きました。
2日間に分けてレポートしたいと思います。

本日は2011年11月5日(土)に開催された、
 ~日本VFX業界の未来を考えるシンポジウム
 「どうする、どうなる日本のVFX業界」~

についてレポートさせて頂きます。

まず、鍋さんよりVES(米視覚効果協会)の活動内容や
海外のVFX業界の最新動向について
の講演がありました。

  VESはVFX業界のプロによるプロの為の協会。
  20カ国に2,200人もの会員がおり、
  VFX業界の待遇や労働条件向上に向けて討論が行われたり、
  情報共有がなされている
そうです。

  そんなVESの活動の一つであるVESアワード。
  VFX業界で最も権威ある賞の授賞式で、年1回2月に開催されています。
  VESアワードの授賞式の時の写真も紹介され、
  非常に広い会場を貸し切って、
  百数十人規模で盛大に開催されている様子が写っていました。

  次に海外のVFX業界最新動向についても講演されました。

  海外では、VESの存在が業界を活性化させ、
  次の大きな流れを形作ってゆく中、日本は動きが緩やかで、
  世界に遅れを取っている事を痛感しました。


次に溝口さんからバンクーバーの最新動向について講演がありました。
  
  なぜVFX業界がバンクーバーに注目しているのか。
  バンクーバーには税優遇措置の他、人材、タイムゾーン等
  様々なメリットがありました。

  税優遇措置に関しては、経費の内どの部分が対象になるのか。
  どの程度の金額が戻ってくるのか。
  さらに、税優遇措置が適用される条件を解説。

  プロデューサーやマネージャー向けの内容ですが、
  海外で活躍したい方にとっては必要な知識ではないでしょうか。


最後に秋山 貴彦さんからVFX-JAPANについて

  VFX-JAPANを発足させた秋山貴彦さんを迎え、
  パネルディスカッションが行われました。
  VFX-JAPANとは日本のVFX業界の問題点を改善し、
  活性化や興隆を図る事を目的にした団体
です。

  現在、日本のアカデミー賞にはVFX部門がありませんので、
  VFX-JAPANはVESのようにアワードを開催していく予定との事です。

  デモリールに関しても海外ではブレイクダウンも収録されていますが、
  日本ではタレントが出ているとNGが出てしまったりと、
  権利関係で公開出来ないケースが多々あります。
  海外ではプロモーション目的ならOKという契約を結んでいますが、
  日本ではそのような契約が無かったり、そもそも契約書が無かったりするそうです。
  このような日本独自の問題もクリアして行きたいとの事です。

  VFX-JAPANには草案ではありますが、様々な目標が掲げられています。
  詳細は下記の関連リンクからご覧下さい。

  50分程で行われた、VFX-JAPANのディスカッションですが、
  まだまだ話が続きそうな感じでした。

  第一線で活躍されていた方々が、これからの日本のCG業界の為に、
  次のステップを踏み出そうとしています。
  日本のCG業界の未来を変えるには、VFX-JAPANの努力だけでなく、
  変えたいという皆さんの意識も必要ではないかと思います。
  VFX-JAPANのディスカッションに参加出来る機会があれば
  是非皆さんも参加してみて下さい。

この日のセミナーでは、世界と日本の差を痛感し、
日本のCG業界の今後について、深く考えさせられました。

世界の大手VFX業界が他国にも進出していく一方、
ガラパゴス化していく日本のCG業界。
世界に遅れを取らないよう、日本独自の問題点を改善し、国際標準化を目指す事。
それが日本のCG業界の将来にとって、重要な事ではないかと思います。

ちなみに小生自身、こういったセミナーに
参加する事は初めてだったので少し緊張しました。
ですが、普段は絶対に聞けないような貴重なお話を聞く事が出来ました。

次回も鍋氏、溝口氏、そしてVFX-JAPANのセミナーが
開催される事があれば、是非皆さんも参加してみて下さい。

CGトラッキング 関連リンク

VFX-JAPANの公式HP
「ハリウッドVFX業界就職の手引き」

スポンサーリンク